「わたしの中でヨガウェアとデイリーウェアの境目って、あまりないんです。着替える手間を省きたいのもありますが、ヨガへ行くときも、行き帰りの着こなしは基本同じ。デザインと機能性のバランスが取れていて、さまざまなシーンを着られるウェアが好きです」

コンパクトシルエットのTシャツと、さらっと軽いエアリーパンツ、足元にフラットのミュールサンダルを合わせた着こなしは、海のそばで暮らす渋木さんの日常を切り取ったようなリアルなスタイルなのだそう。

「このパンツは、まろやかな色味が好み!チャコットのパンツは普段からよくはいていますが、素材感が心地良いうえに、ウエスト周りをほど良くカバーしてくれるところもお気に入り。年齢を重ねると、そういう配慮はありがたいですよね。」
飾らない言葉で、時にユーモアを交えて話す渋木さんは、いつもナチュラルで、誰に対してもフラット。彼女と話していると、心の中をさわやかな風が通り抜け、元気をもらえる。

続いて、ノーソーイングレースTシャツに合わせたのは、チャコットオリジナルのスムース素材を使用したジョガーパンツ。

「このニット、撮影中ずっと気になっていました!レッスンだけでなく、子どもの学校行事などの“きちんとシーン”にも着ていきたいなって。パンツは薄く肌に吸い付くような素材感で、さっきはいたパンツとはまた違う良さがありますね。甲乙つけ難い!」と明るく笑う。しかし、その輝く笑顔の裏には、人知れず悩み、もがいた時期があったと話す。

「『努力すれば叶う』と、小さい頃から言われてきたけれど、仕事も自分ががんばった分だけ評価されるわけでもないし、結婚だって自分がしたい時にできるものでもない。30歳を目前に、小さな挫折を繰り返していたんですね。それで、自分を変えたいと思い、『やりたいけれど、言い訳をしてやってこなかったこと』を全部紙に書き出してみました。一人旅に出る、サーフィンをする、ヨガをする………。1つ1つリストを消していった中で、一番しっくりときたのがヨガでした」

これを機に始めたヨガに彼女は幾度となく救われ、今となっては、人生において欠かせない存在に。

「ヨガインストラクターをしていても、怒ったり、落ち込んだりする時はあります。でも、怒りや不安などの感情を落ち着かせ、自分をニュートラルな状態へ戻す方法を知っていることは、健やかに生きていく上ですごく大きい。ヨガを続けていれば、揺らいでも戻ってこられるしなやかな軸ができると思います」

「甘めのメロウ加工とやさしい色味が新鮮でした。ヨガイベントに出る時など、場が華やかになって良さそう。あと、わが家はよく旅行するのですが、『荷物は家族全員でスーツケース1つ』という謎の縛りがあって(笑)。今はいているタックテーパードパンツはかさばらず、しわになりにくいので旅先で重宝しています」

やわらかなサーモンピンクが、渋木さんの健康的な素肌にとてもよく似合う。そして、インストラクター以外にも、ヨガライフアドバイザーとして活躍する彼女が手掛けているのが、ヨガとセルフケアの定期便“blanced.Box(バランスド ボックス)”。

「週3回のオンラインヨガレッスンと、毎月のテーマに合わせたワークショップ、セルフケアプロダクトなどをセットにしてお届けしています。わたしの大好きなヨガを通して、現代社会でがんばっている女性たちをエンパワーメントしたい。オンラインではあるけれど、自分の身体と心に向き合うこの場が、職場でも家庭でもない、居心地の良い“サードプレイス”になってくれたらうれしいですね」

誰かの喜ぶ顔が自身の生きるエネルギーにつながる。“やさしさのリレー”を生み出す渋木さんの活動に、今後も注目していたい。

PROFILE

渋木さやか さん
(ヨガ講師/ヨガライフアドバイザー)

大手アパレル会社でPRを経験後、ヨガインストラクターへ転身。インドの伝統的なスタイルであるヴァーナンダヨガを学ぶ。メディアに多数出演するほか、Fuji Rock Festivalなどの大型音楽フェスやヨガイベントのインストラクターとしても登壇。2022年7月より女性をエンパワーメントする業界初のサービス「blanced.Box」を開始。揺らぎがちな女性の心と身体の健康、セルフケアを提案することをライフワークとする。

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