Interview with May Nagahisa Vol.2
2022年10月05日 18:00舞台で輝き舞うバレエダンサー、永久メイ。美しさを体現する彼女のバレエとの向き合い方やライフスタイルから、日々のバレエライフを一歩前進し楽しむためのヒントを、全6回のインタビューを通じて探ります。
Interview with May Nagahisa
vol.2
マリインスキー・バレエ団でファーストソリストとして活躍する永久メイさん。数々の公演で主役を演じ、その透明感あふれる踊りは多くのファンを魅了しています。
2021年には「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」(アジアを代表する30歳未満の30人)にも選出されるなど、今後の活躍からますます目が離せない彼女に、日々のレッスンのあれこれや、ライフスタイルについて伺いました。
Vol.2のテーマはセンターレッスンや舞台での美しい踊りに繋がる「身体を美しく見せる意識」について。
身体を美しく見せるためには・・・。
――身体を美しく見せるために、どんなことをレッスンで意識していますか?
マリインスキーに入ってロシアスタイルを学んでいくにつれて、上半身の美しさだったり、上体の使い方だったり、今まで習ってきたことと全く違って・・・他のダンサーの踊りも上体をすごく見るようになったんですね。
もちろん足先や爪先もすべて身体のラインに必要なんですけど、やっぱり表情や上体、手の位置だったりをもっと意識して見るようになったかな。リハーサルの時にすごく注意されるのはそういう部分だし、一番今も心がけていることです。新しい振り、新しい作品を習うにしても、アームスや上体の使い方をすごく研究するようにしています。私が見ていてすごく素敵だなって思うダンサーも、背中から羽が生えているみたいに、肩甲骨をきれいに使っています。だから背中にすごく目が行きますね。
――上体の使い方が変わって、脚の動きにも変化が出たりということはありますか?
それが難しくて、今までずっと脚の動きだけで振りを覚えていたんですけど、手に気を付けることによってそちらに集中し過ぎちゃって、逆に脚とばらばらになって速さが合わなくなったりとか。英語ではコーディネーションというんですけど、手と脚のスピードが合わなくなったりするんですよね。なので、今はまだ模索中です。
――身体のラインを意識するにあたって、何かレッスンウェアでのこだわりはありますか?
バレエ団に入るとレッスンウェアは自由になるんですけど、私は毎回ピンクタイツなんですね。バレエ学校時代、コンテンポラリーの授業の時は黒タイツを履いていたんですけど、クラシックの授業では絶対にピンクタイツというのは決まっていて。それが染みついていますし、リハーサルで見てもらうということもあるので・・・。
普段練習するときは、トゥシューズを履くときもより滑りにくくなるので、履きなれたものを着用しています。夏は素足に近いような薄い生地がいいですし、冬でもラインや、ちょっとした筋肉のかげが見えるようなタイツの方がきれいだなって思います。
――レッスンやリハーサルのときは鏡もあって、ラインも確認できますけど、鏡の無い舞台の上では、練習での感覚をどうやってキープしていますか?
すごい難しいです。やっぱり、リハーサルの時先生がいたとしても、鏡を無視するのは難しくて。自分のポーズがここで大丈夫かなとか意識しちゃうんですね。それで後からチェックできるようにビデオを撮り出すようになって。
先生からの注意も大事だけど、ビデオを撮って、自分で自分の一番きれいなポジションだったり顔のつけ方だったり位置を決める、知る。自分でもダイジェストするというか。本番前は、絶対に鏡のないステージやリハーサルルームで練習するようにしています。とりあえず何回も何回も鏡なしで踊って、自分と見ている先生の注意を信じるのみですね。
Interview:Ayako Kaji
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